近年のITの革新とともに、同じ姿勢でパソコンやスマートフォンを長時間使用する人、特に女性の間で猫背・姿勢不良の増加傾向が見られます。
ある専門機関が全国の20才から50代の女性を対象に実施した調査によれば、「猫背の人が最近増えていると思う」あるいは「やや増えていると思う」人は約45%。
さらに、その方自身が「以前と比べて猫背になったと思う」人は実に約60%になることがわかってきました。
ご本人が猫背を自覚しており、身体によくないことだとわかってはいても、なかなか治そうとしない人や、治せない人が多いのが実際です。
しかし、本当のところ、猫背や不良姿勢を放置したままだと恐ろしい症状を次つぎと引き起こしてしまうことはあまり知られていません。
さらに、猫背の女性の「実年齢」と「見た目年齢」の差では、なんと「+5歳」違って見えるとゆわれています。
日本の若者の6割は猫背だそうです。
これは驚くべき数字ですが、本人が気づいていないものが多く含まれています。
また、ある統計データーによると、幼稚園児や小学生の4割が気付かないうちに猫背になっているとも言われており意外と「隠れ猫背」が多いのが特徴です。
特に成長期の猫背は体の発育だけでなく学力の低下にもつながると言われています。
近年のスマホの普及により悪い姿勢で長時間スマホで動画やゲームをする子供が増加してきています
猫背の場合、身長ももちろん低くなります。
痛みとしては肩こり頭痛、背中痛、腰痛などが出やすくなります。
加えて見た目の悪さとして、アゴが出て目つきが悪くなる。
胸が垂れる、お腹がポッコリでる、お尻が垂れるなどいいことは一つもありません。
猫背は体が丸くなっているように見える状態を言います。
ではそもそも猫背とはどんな状態を指すのでしょうか?
背骨が正常に比べて何となく前に傾いているというだけでは説明できません。
人間の背骨は本来、軽いS字のカーブを描いています。
このS字の弯曲を生理的弯曲と言います。
こういった背骨の構造的な特徴には理由があり軽くカーブを描いていることで、
上からの荷重を分散することができ、
さらに柔軟にしなやかに動くことができるようになっているのです。
猫背の場合、身体の背中側に背骨が出っ張った形(後方凸)になります。
猫背とはただ単に背骨が丸くなっているというのではなく、
正常なS字の範囲を超え肩や頭が前方に出ている状態をいいます。
いわゆる正常なものと比べて前弯が強くなっている状態です。
いわゆるストレートネックの状態です。首だけが前に出ている状態を指します。頸椎の生理的前弯が30°以下の状態です。(正常な頸椎の前弯は30~40°)このタイプに良くみられる症状は慢性的な肩こりや頭痛です。整形外科でMRIを撮ると「首が真っ直ぐな状態ですね。」と言われます。
背中の真ん中あたり、女性でいうとブラジャーのホックのあたりを頂点に前に倒れている状態です。いわゆる一般的な肩こりと言われるタイプがこのタイプです。長時間の不良姿勢でのパソコン作業が多い方にみられるタイプです。背中の筋肉が弱い方はこのタイプになりやすく、背中猫背の姿勢を続けることでますます筋力が低下していきます。
反り腰猫背とも呼ばれ、骨盤が前に傾いているために、バランスをとろうとして肩や首が前に出るタイプです。このタイプは骨盤が過剰に前に倒れているために、腰痛が起きやすくなります。
近年、多くみられる猫背のタイプです。このタイプは猫背で悩むというよりは、お腹がポッコリ出ていることが悩みかもしれません。パソコンの作業で長時間座ることが多くなると常に骨盤が後ろに倒れている状態になります。女性でこのタイプの方の多くははお腹まわりに脂肪が付きやすくなります